
Greg Kihn Band / Love Never Fails
ストレートなRockがダンスフロアでウネる、80s Rock×Discoの隠れた名作。
メガヒットの陰に隠れたRock'n Rollの真価
1983年、USのRockバンド Greg Kihn Band が最も勢いに乗っていた時期にリリースされたアルバム Kihnspiracy。そのアルバムからシングルカットされたのが、今回レコメンドする Love Never Fails です。Billboard Hot 100でNo.2を記録したメガヒット Jeopardy の陰に隠れ、チャート上では目立った成功を収めたワケではない楽曲ですが、この曲にはGreg Kihn Bandの本質とも言える「ストレートなRock'n Rollの魅力」がギッシリと詰まっています。Jeopardy がNew Wave的なアプローチで時代の空気を捉えていたのに対し、このLove Never FailsはよりクラシックなRhythm & Bluesのフィーリングを感じさせるRockナンバーとなっています。
骨太なグルーヴが生み出す大人のRockサウンド
タイトに刻まれるドラム、唸るようなベースライン、そしてエッジの効いたギターリフが重なり合い、飾り気のない骨太のグルーヴを作り上げています。派手なシンセや装飾に頼ることなく、シンプルな編成で押し出すこのサウンドはまさに大人のRock…。どこか70年代のRock'n RollやRhythm & Bluesのスピリットを感じさせる温度感がたまらない1曲です。シンプルだからこそ演奏の力強さやバンドとしての一体感が際立ち、聴き進めるほどにGreg Kihn Bandの実力を改めて実感させてくれますね。
John Luongoが描いたRock × Discoのクロスオーバー
そして、このUS盤12インチで特に注目したいのが、Disco界の名Remixer John Luongoが手がけた Love Never Fails (Long Remix)。このLong Remixでは、アルバム・バージョンのストレートな構成を大胆に解体し、ダンスフロア仕様のグルーヴへと再構築しています。オープニングからタイトなビートに軽快なパーカッションが絡み、空間系エフェクトを巧みに使ったダビーな展開が広がるイントロは、まさにDJフレンドリーな作り。John Luongo特有のディレイやリバーブを大胆に配置するコトで、Rock特有のダイナミズムに絶妙な隙間を生み出し、そこへ自然なグルーヴを宿らせています。
フロアを揺らすLong Remixの完成度
ベースラインのウネりがジワジワとカラダを揺らし、ブレイクではギターとリズムが絶妙なテンションを作り上げるっ! 聴き進めるほどに熱量が上がっていく構成は、さすが名手John Luongoのシゴトと言えるでしょう。Rockの勢いを失うことなく、Discoやクラブカルチャーのグルーヴを違和感なく融合させたこのRemixは、80年代ならではの12インチ文化を象徴する完成度を誇っています。DJユースとしても非常に扱いやすく、現場で映えるロング・ミックスならではの醍醐味が詰まっていますね。
Rockとクラブカルチャーを結んだ12インチ
リリックのテーマはタイトル通り「愛は決して失われない」という普遍的なメッセージで、人間関係のすれ違いや迷いを描きながらも、最後には「愛の力は必ず残る」というポジティブな視点が込められています。Greg Kihnの少しラフで人間味のあるヴォーカルが、このメッセージをリアルに響かせているのも魅力ですね。リリース当時、この曲はメインストリームのPopチャートでは大ヒットには至りませんでしたが、DJ達の支持を集めダンスチャートではスマッシュヒットを記録しました。RockとDisco、クラブカルチャーの橋渡し的な存在として機能した楽曲と言えるでしょう。80年代の12インチ文化を象徴する「Rock × Club」のクロスオーバー…。その魅力が詰まったこのLong Remixは、DJプレイにも映えるグルーヴィな仕上がりとなっています。聴けばストレートなRock'n RollがDiscoのリズムでウネり始める…そんな瞬間をぜひ体感してほしい1枚です。


